子供が生まれ、育休に入って早3ヶ月、最も大変だと聞かされていた時期は通り過ぎたと思う。 夫婦交代でオペレーションを回していると、負担が1/2になるのである程度楽な気がする。 今は子供の機嫌次第で大変さ、疲労度がまるで変わるので、それ次第なところが大きいのだが。
前置きはさておき、仕事をしない期間ができたことで、自分のキャリアプランを改めてゆっくり見つめ直す期間となっている。 世の中にはキャリアブレイクという言葉があるらしい。 仕事から離れたことでゆっくり考えられるのかもしれない。
そして(中長期で)今後のキャリアをどうしたいかと聞かれたときに、大体ポジションとセットで考えることが多かった。 特に、キャリアに関するアンケート調査などでは、「次のキャリアとして何を考えていますか?①リードエンジニア②プロダクトマネージャー③…」みたいなものはよくある。 このようなアンケートが悪いわけではないのだが、ポジションをベースにしてキャリアプランを語ることは、個人的に違和感を感じている。
まず、ポジションはそのものが時代とともに変わっていく。 時代が変わり環境が変わっていけば、求められる役割が増えたり変わったりは必ず起こる。 エンジニアで言えばCREだのDevRelだの、次から次に新しいポジションが生まれ、変化している。 AIによって人間の役割が再定義される時代でもある。 自分が就きたいポジションがあったとして、それが今後そのまま残るとは限らない。
第二に、ポジションが担う役割は環境によって異なる。 会社のカルチャーや成長フェーズなど様々な要因があると思うが、同じポジション名であっても会社によって役割がまるで違うなんてことも大いにあるだろう。
そして違和感を感じる最も大きな理由は、そのポジションに就くことが目的ではないということだ。 社長になりたいという野望があるのなら、起業して社長を名乗れば良いわけだ。 キャリアプランを語るうえで「社長になりたい」というのなら、多くの場合そういう文脈ではないと思う。
これには多分、周囲から評価され認められたうえでそのポジションに就くという文脈を暗に含んでいる。 その人の能力を買って特定の役職につけることを抜擢と言うが、抜擢とは自分で行うものではなく、他者が行うものである。 そして抜擢されるためには、評価を伴う実績を少しずつ積み上げていくしかない。
少し話は脱線するが、以前、自分の成長に他者は関係ないということを書いた。
だが評価は全くの別物だ。 自分の成長については他者を意識しない一方、自分の実績がどのように評価されるかはしっかり深堀って考え、振り返るのがいいという感じだろうか。
話を戻そう。 ここまで踏まえると、キャリアプランにおいて特定のポジションを目指すということを正確に表現しようとすれば、
- 今自分がいる環境において
- 〇〇(自分がなりたいポジション)の役割が担えると周囲に認められ
- 実際にその仕事をすること(抜擢)
なんだと考えた。
これをあえてポジションを引き合いに出して言うのであれば、「〜していきたい。ポジションで近似すると〇〇」みたいな感じで考えるのが良いと感じた。
ただ、ポジションを引き合いに出してキャリアプランを説明するのは、このような長い前置きを説明せずとも伝わりやすく、説明する側にとって非常に楽だ。 こんなに細かく考える人はいないかもしれないが、ちょっとした頭の整理にはなった。
つづく
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