以下の前回記事の続き。
前回記事では、キャリアプランをポジションで考えることの違和感を次のように述べた。
- ポジションは時代とともに変化していくこと
- 同じポジション名であっても、環境によって役割が異なること
- そのポジションに就くことが目的ではないこと
この記事はそんな思考整理の続き。
やっぱりポジション思考
個人的なバイアスが入ってしまうのだが、キャリア関係の本を数多読んだ中で、最も好きな本が転職2.0という本だ。 一貫して市場価値を高めるための考え方が指南されていて、スキルや経験をタグとして捉える思考法がとても納得感があった。
まだ社会人なりたてだったころにこの本を手にして読んだのだが、改めてもう一度読んでみた。 すると、僕の思考とは全く逆のことが書かれていた。
ポジションを明確にしないと、キャリアを積むごとに苦しみが増える(p.144)
まあ言われてみれば当たり前なのだが、job description(職務記述書)はポジションごとに作られるものなので、目指すポジションが曖昧なまま転職しても何も良いことはないというのはそのとおりだ。
それに加え、将来どうなっていきたいかと聞かれたときに、具体的なポジションがなければイメージが付きづらく説明もしづらい。
時代とともに変わっていくとはいえ、今存在しない仕事、ポジションに就きたいと言うことも難しい。
とはいうものの、冒頭に上げた違和感とどう向き合えばよいか考えてみた。
まず1点目の「ポジションは時代とともに変化していくこと」について。 先に述べたように、今存在しないポジションを想像しそれを目指すことは、よほど明確になっていない限り難しい。 これができればいわゆるパイオニアってやつになるんだろうか。 少なくとも自分はそうではないと思うので、そんなに考えなくても良さそう。
次に、「同じポジション名であっても、環境によって役割が異なること」について。 確かに環境によって役割は違うかもしれないが、そんなに大きくぶれることはない。 極端な話、ソフトウェアエンジニアは一般的にはコードを書く仕事だ。
そして、特定のポジション名が世間一般に広く使われているのであれば、なんとなく一般的な共通理解が取れているものも一定ありそうだ。 そうでなければ求人情報をポジションで分けることは困難になる。 具体的なポジションの役割については、例えば以下が参考になった。
ここで重要だと感じたのは、世間一般的に言われているポジションの役割と、自分の置かれている環境での役割を把握しておくことだ。 自分のキャリアプランを描くことにおいても、(ポジションの役割が市場と大きく異なる場合は)自分の環境でのポジションの特徴を知るという点においても大事そうだ。
最後の「そのポジションに就くことが目的ではないこと」について。 これは、あくまでやりたいことを叶えるための手段として意識できていればいいだけではないかと思った。 多分、僕は手段が目的になることに最も違和感を感じるので、そうでなければ気にならないんだと思う。
たぶんこうやって考えたらいい
違和感として抱いてはいるものの、やはり具体的なポジションをイメージしなければ、これからのキャリアを具体的に思い描き、行動するのは無理があるんじゃないかと思った。
エンジニアとしてのキャリアを磨いていく、ということが前提になるが、自分の中では以下のような考えに落ち着いた。
- ポジションにとらわれず、自分のキャリアのゴールを想像する。具体的なポジションを思い浮かべても構わない。
- それを実現するためのロードマップを何となく作る。
- 2.をブレイクダウンし、目先1,2年のスパンでどうしたいか考える。ブレイクダウンした結果、次にどのポジションを目指すのか考える。
結論として当たり前のことを言ってしまうことになったが、色々考えたあげく一般論に戻ってきてしまった。 ゴールなんて多分はじめから明確に決められるわけではないかもしれない。 マネージャーやキャリアコンサルタント等と壁打ちなどしながら、徐々に解像度を上げていくのがよいのではなかろうか。
ただただ自分の思考整理を列挙しただけになってしまった。