今年から新たな取り組みとして、今月読んだ本を月末に振り返る記事を書いていこうと思います。 たぶん月間4〜5冊くらいが限界になるでしょう。 分厚い本は1冊で新書2,3冊分かそれ以上の分量のものもあるので、冊数で見ると少ない月もあるかもしれません。 と言いつつ、正月休みもあったおかげか1月は6冊読むことができました!
ということで毎月、読んだ本とその感想をお届けします。 紹介テンプレは用意せず、自分で書きたいことを書いていくスタイルで。 もし、僕の感想を読んで「この本読んでみようかな」と思ってくれたら嬉しいです。
本が読みたくなった方は、読者登録、Xのフォローお待ちしています! また、「この本おすすめ!」というものがあれば、ぜひコメントで教えてください。
非技術書
熟達論
何度かブログに書いているが、AIを活用しながら学ぶにはどうすればよいか、という問いの答えを、ここ1年くらい考え続けている。 そんな中で、この本はVPoEのばんくしさんに紹介してもらったものだ。 陸上競技者であった為末さんが経験されてきたことをベースに、「熟達」についての過程を「遊」「型」「観」「心」「空」という5段階を名付けて解説されている。
この本のすごいところは、理論ではなく経験や見聞きした話がベースになっているものの、それが理にかなっていてとても深い納得感が得られる点だ。 特に熟達に関する理論などを解説しているわけではないが、認知科学的な観点から学びを解説している他の書籍を読むとこの本とリンクすることが多い。 「あー、これが熟達論でいう『型』の章に書いてあったことじゃないか!!」みたいな感じで。 一番初めにこの本を読み、あとから認知科学の本を読むと、より一層学ぶことや「できるようになる」ことへの理解が深まるように思う。
学力喪失 認知科学による回復への道筋
去年読んだ「学びとは何か」の著者でもある今井むつみさんの書籍だ。 「学びとは何か」では、子どもが言語を習得していく過程を引き合いに、どのように人が学んでいくのかが解説されていた。
この「学力喪失」では、算数の文章題が苦手な小学生が多いという話題から始まる。 本を通して、その考察が検証過程とともに詳細に解説されている。 具体的には、小・中学生を対象に、著者が「たつじんテスト」というタブレットを利用したテストを開発、実施した。 その回答過程を含めて回答を観察し、分析結果が詳細に述べられており、とても納得感のあるものだった。 算数の文章題が苦手なのは、ことばや算数/数学記号の「意味」を理解していないことだと主張していた。
この本で最も大切なキーワードは「記号接地」だろう。 記号接地は認知科学の用語らしい。 簡単に言えば、言葉や記号の意味を実際に使えるレベルまで理解している、という意味を持つようだ。 そして、生成AIと記号接地についても述べられている。 実際に文中でも、GPT-4(出版当時最新だったと思われる)に「たつじんテスト」を解かせて、振る舞いを観察する実験を行っていた。 AIの進化のスピードが早く出版当時とは状況が異なるが、「AI時代の学びの価値とは」と言う問いを考えるのにとても役にたつ本だった。
これからAIとともに学ぶ上で特に大事なキーワードになる予感がしている。 自分にとっては大きなインサイトになった本だった。
自己決定の落とし穴
自分で決めたはずなのになぜかモヤモヤする。 僕自身、何度も経験してきたことだ。 そんな、「自己決定の落とし穴」について考えていく本だった。
著者が主張しているのは、自己決定とは自己責任ということであり、選んだからには選んだ結果も自分の責任として扱われるようになっている、という社会構造の問題点だ。 決定に責任が伴うことによって、決定を回避したり、決定したことに追いかけられ離脱できなくなったりする、といった問題が生じてしまうこと。 また、自己決定が尊重されるあまり、人が決めたことに介入しづらく、本当に必要な支援が「余計なおせっかい」扱いになってしまうリスクがあること。 自己決定にはこのようなリスクが伴っている。
書籍では、ゆるやかな決定ができる社会を目指すことを主張していた。 自己決定できる一方で、その責任をひとりでに負う必要のない社会だ。 これは理想論だとは思うが、今役立つことがあるとすれば、「自分が下した決定を全て自己責任だと考えないこと」「自分で決めたことから逃れられない人に、何らか手を差し伸べられないか考えてみること」だろうか。
今後の自分の生き方に影響を与える一冊になったことは間違いない。
勉強する気はなぜ起こらないのか
やる気、モチベーションはどのように起こるのか、それを維持するにはどうしたらよいか、ということがわかりやすく述べられている本だった。 このシリーズ「ちくまプリマー新書」は主に中高生を対象読者としているようで、主に中高生の勉強に対するモチベーションに主眼を当てて書かれていた。
しかし、中高生の勉強ではなくモチベーションに焦点を当てて書かれており、大人になった僕にも十分役にたつ本だった。 モチベーションは、ざっくりわけて内から湧き出てくるものと外から与えられるものがある、という話から始まり、ポジティブ思考・ネガティブ思考がどのようにモチベーションに影響を及ぼすか、ネガティブ思考との向き合い方はどうすればよいか、という話で終わる。
個人的に印象に残っているのは、「我慢強さ」がパフォーマンスに影響すると言うことだ。 「マシュマロ実験」と呼ばれる実験で、我慢強さがパフォーマンスに影響し、その我慢強さは幼少期から変わっていないことが多い、ということが示されているそうだ。この手のモチベーションについての本でよく出てくる実験らしいが、初めて聞いたのでとても勉強になった。
また、モチベーションは環境によって大きく変わることについてもよく述べられている。 人間は他人と比べてしまう生き物であり、それがモチベーションに影響してしまう。 そのため、自己評価の基準をいい状態で持つことが大事になってくる、というわけだ。 僕の身の回りには、自分よりも若く活躍している人たちが多いので、まさにこの比べてしまう環境にあるのだが、それとうまく向き合っていくために考えさせられた。
ここでは紹介しきれないが、ポジティブ思考・ネガティブ思考とモチベーションについても述べられている。 興味があればぜひ読んで欲しい本だ。
また、この著者の本で次のような本もあるので、今後読んでみようと思っている。
世界の一流は「休日」に何をしているのか
最近、書店で常に目立つ位置に陳列されており、たびたびXをはじめSNSで話題になっていたので読んでみた。
この本の主張していることを端的に言えば、「休むために働け!」になるだろう。 戦略的に休むということが、どれだけパフォーマンスに影響しているのか、ということがさまざまな観点で述べられている。 「世界の一流」と呼ばれる人ほど、休むことを大切にしてるし、休み方もいっぱいあるよ、という本だった。
以前、休みたくても心理的に休めなかったり、休むためのバロメーターについて考えたブログを書いたので、ここで紹介させていただこうと思う。
技術書
[入門]Webフロントエンド E2E テスト
長いこと積読にしていたが、playwrightを触る機会がありようやく読むことができた。 2024年に出版された本で、最新の機能が解説されているわけではないが、E2Eテストの基本やplaywrightにおけるコードのお作法を学ぶのにとても役にたつ本だった。 E2Eテストの基本や運用上の課題も含めて解説されているので、初めてE2Eに取り組む、という人に特におすすめしたい。
最後に
やはり長期休みがあると読書が進むのでとても満足でした。 本来なら、2ヶ月ほどかけて読んでいたエリック・エヴァンスのドメイン駆動設計を読み終わる予定だったが、風邪をひいてしまい読み切ることはできませんでした。 これについては、できれば来月、「読んだ本」の欄に書けるようにがんばります。
それではこの辺で。






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